greenbottleblue’s blog

長文は苦手です。

伝わらない感想文『新美南吉童話集(新美南吉)』

友だちがくれた。バースデー文庫で出てたらしい。
まさか、私が新美南吉と同じ誕生日だなんて。
シュワちゃんくらいだと思ってた(笑)。

新美南吉童話集 (ハルキ文庫)

新美南吉童話集 (ハルキ文庫)

新美南吉といえば、『ごんぎつね』『てぶくろを買いに』しか知らなかった。
『てぶくろを買いに』は、絵本の絵が綺麗だったことを覚えてる。
親子の会話よりも、手袋のふさふさした感じと、ミトン風のデザインに憧れたなぁ。

収録されてる話の中には、戦争や兵隊なんて言葉があって、彼がその時代の人なんだとも知った。
もっともっと戦前の人だと思ってたから、不思議な感じ。
電柱や列車とか、現代的な言葉が出てくると、何だか違和感。

どの短編が印象的かって、『疣』かなぁ。
自分の思惑と他人の思惑が、大きく違うこと、私にも心当たりあるなぁって切なくなった。

読み終わって思ったのは、短編全てが、心で愛だった。
裏切りとか憮然としない感じとか、何をやっても憎めないヤツとか、嫉妬や悲しみとか。
子供から大人になる意味や、時代の移ろいや、都会の子供と田舎の子供とか。
純真な目で情景を見ようとしながら読んでた。
要は、素朴なんだろうね。

久しくこういう本を読んでなかったから、たまには古きよき時代の本を読んでみようと思う。